本文引用
■人を動かす3つの要素「心・技・体」
パート2では、じつにさまざまな「人が動いた」現象を、人数規模ごとに7つの目盛りー1000人から10億人までーに分類して、その背景やメカニズムを探ってみた。だんだんと拡大する「人の数」で区切った、いわば「横軸の視点」といえるだろう。「人が動く」「人を動かす」といっても、それが1000人の話なのか、100万人の話なのか、1億人の話なのかでは、全く様子が変わってくる。少なくとも、そのことはあらためて認識してもらえたのではないだろうか。
さて、このパート3では、人の数という「横軸の視点」から、「縦軸の視点」に話を深めていきたい。「人を動かす」にあたって、人数規模にかかわらず常に作用しているものは何なのか。1000人から10億人までを追いかけていくと、当然だけど人が動く構造はどんどん複雑化していく。一見すると、1000人と100万人と10億人は全く異なる力学で動いているようにも思える。でも、よくよく目を凝らしていけば、そこには本質的に共通する何かが浮かび上がってくる。それらは、最初に「三つの要素」にまとめることができた。人を動かす「心・技・体」だ。みなさんもご存じのように、「心・技・体」とはスポーツとくに武道の世界において、最高の結果を出し続け、常に一流であるために必要な「三味一体」の要素として広く知られる。「心」=精神、気持ち、価値観、マインド「技」=技術、スキル、戦術「体」=身体、体力、体の動きおおむね、こんなところだ。では「人を動かす心・技・体」になるとどうなるか。こんな感じだ。「心」=人の気持ち、感情、本音(インサイト)「技」=メディアかコンテンツの戦略と戦術「体」=体験、体感人数の規模にかかわらず、この三つが共通したポイントになる。
(本田哲也/田端信太郎著『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』より P190~P192)
photo credit: Prairiekittin via photopin cc
感想
この文章の後に、「心」・「技」・「体」においてリーチの数ごとにどのような要素が必要かが述べられているが、その記述が実に面白い!特に「心」に関してリーチの数ごとに述べた記述は、「なるほど!」と思った。
まず最初に1000人レベルの心の要素は「使命感」や「同情心」といった「個の心が原動力になっている」と述べている。そして、1万人から10万人では「ビュア」な要素では動かなくなり、代わりに原動力となるのが「スケベ心」であり「お祭り心」が顔をだす。そして、100万人では「虚栄心」や「羨望心」が、1000万人規模では「横並び心」といった社会心理が必要となる。1億人規模では、その行動が習慣となる。そして、10億人規模では「信仰心」や「コミュニケーション欲求」といった普遍的境地となる。以上、簡単に述べたが、リーチの数ごとの「心理」の分析を的を得た一言で表現しているだけに、非常に興味深い!
人の心を動かすのは、いかなるときにおいても「心の沸点に達したとき」なのだと、そして、「心の沸点を見つけること」が重要だと改めて思う。これはブログを書く者にとっても重要な要素だ。
そして、僕もいつかは多くの人の心を揺さぶる文章を書きたいと、改めて思うのだ。
目次
PART1 「たくさんの人に見てもらえるほどよい」は本当か?
PART2 なぜ、人は「動く」のか?-1000人から10億人まで、スケールごとに考える
PART3 「人を動かす」ことをあきらめない
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