作佐部 孝哉 日本能率協会マネジメントセンター 2014-11-27
書評
世界的にも有名なコンサルティングファームであるアクセンチュア。僕もとある案件でアクセンチュアの方と一緒に仕事をしたことがあるが、やはり優秀な方が多いという印象が残っている。同社は特に人財の育成には力をいれているが、それは、CLO誌による2014年の「ラーニング・エリート企業ランキング」において、世界の名だたる企業200社の中で1位に輝いている。本書『世界No.1コンサルティング・ファームが教える成長のルール』 は、同社がビジネスパーソンとして必要な土台として必要な以下の3つを紹介している内容となっている。 ①未来を描く「構想力」
②多様な人財を活かせる「人間関係構築力」
③成果を出すまでやりきる「実行貫徹力」
では、これら3つは具体的にはどのような内容なのか?3つの力は、それぞれ以下のように書かれている。
構想力
まず1つめに必要とされるのが、未来を描く「構想力」です。
これは、変化の激しい環境においても、より良い将来像を描き出し、社会や産業、そして所属する組織にこれまでとは違う、新しい景色を見せられる力のことです。
(中略)
人間関係構築力
2つめに必要とされるのが、多様な人財を活かせる「人間関係構築力」です。
組織において自分ひとりでできることは限られています。より大きな成果を出すには、自分の後輩や同僚だけでなく、上司や顧客も含めて協力を結集する力が不可欠となります。
例えば、炭素という原子がありますが、炭素と炭素の結びつき方が変われば、鉛筆の芯にもなれば、光輝くダイヤモンドにもなるように、人と人を結びつける力で生み出せる成果は大きく変わってきます。
また、これからの時代は、自社に答えやノウハウがないような状況が増えてきています。
社内の人を巻き込むだけでなく、自社とは異質な価値観を持つ、社外の人、海外の人ともつながることができる力が必要です。
実行貫徹力
3つめに必要とされるのが、成果を出すまでやりきる「実行貫徹力」です。
企業の業績の差を分けるのは、戦略や構想の巧拙ではなく、その実行の徹底度合いです。それは個人に置き換えても同じです。まわりの人を見ても、口だけで行動に移さない「口動派」の人は大きな成果を残すことはないはずです。
これからの実行貫徹力とは、構想をいつまでも熟考しているのではなく、すぐに最初の一歩を踏み出せる力、それもやみくもに頑張るのではなく、トライ&エラーを意図的に繰り返しながら、早く成果にたどり着ける力が大事になっています。
(作佐部孝哉著『世界No.1コンサルティング・ファームが教える成長のルール』 より P24~P27)
ハイパフォーマーと聞くと、「自分には真似ができない」と思われる。しかし、著者は「ハイパフォーマーには誰でもなれる」と言う。なぜなら、「ビジネスの世界で高い成果を出している人は、シンプルな発想をしているから」だからだ。
ハイパフォーマーには誰でもなれます。
「やり方」さえ修得できれば、上位20%に入るようなハイパフォーマーには誰でもなれるのです。
一見、高い成果を出す人の発想や行動は、複雑で難解、誰もが真似できないものだと思われています。しかし、実はそうではないのです。
ビジネスの世界で高い成果を出している人は、シンプルな発想をしています。シンプルな発想やルールに従っているから、決断も早く、したがって誰よりも早く成果をだせるのです。
そして、シンプルなルールにもとづいて行動しているからこそ、成果の再現性が高いのです。
(作佐部孝哉著『世界No.1コンサルティング・ファームが教える成長のルール』 より P34~P35)
・「注力すること」と「やめること」を決める
・その道のプロになるために「1万時間」努力する
・本質的な問いを突き詰める
・意志決定を連打する
・データにこだわる
etc......
そんな本書に書かれている成長のルールは、シンプルなものばかりだ。しかし、繰り返し何度も行うことで成長が促される内容ばかりである。
僕も自分の成長を促進するためにも、本書の内容を少しでも取り入れていきたいと思う。
※本書は日本能率協会マネジメントセンター・柏原さんより献本いただきました。
関連書籍
吉澤 準特 日本能率協会マネジメントセンター 2014-08-20
目次
はじめに ~なぜアクセンチュアの社員は成長が早いのか?~
本書で身につける仕事力
第1章 これからの時代のハイパフォーマー
第2章 ハイパフォーマーをつくり上げる基本姿勢
第3章 学ぶ力を磨く成長のルール
第4章 構想力を磨く成長のルール
第5章 人間関係構築力を磨く成長のルール
第6章 実行貫徹力を磨く成長のルール
おわりに ~Go for it!(やるしかない!)~
【次回予告】 気になる方は登録を!→ 次回は気になっている本について紹介したいと思います。それでは、次回もお楽しみ!
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