書評


今話題の経済学者であるピケティ。その著書である『21世紀の資本』が飛ぶように売れている。しかし、この『21世紀の資本』は本文が600ページ以上もある分厚い本であり、読みこなすにも一苦労の本だ。よって、『21世紀の資本』を解説した本が登場するのも必然であろう。本書『ピケティ入門 (『21世紀の資本』の読み方)』は、『21世紀の資本』を解説した入門的な本かと思って読んでみたが.....「"ピケティ入門"というタイトルにだまされないで!」と言いたくなるような内容の本だったので、あえて取り上げた。



主な構成としては、前半(第1章、第2章)には『21世紀の資本 』の概説が、後半(第3章、第4章、第5章)にはアベノミクスへの批判が書かれている。

ところが、前半の21世紀の資本』の概説の内容を読んだときには 目を疑った。というのは 『21世紀の資本 』の基本公式である「r > g」の解説部分について書いている内容が「本当にピケティの本を読んだの?」と言いたくなるような記述だからだ。以下にその解説の内容を記載をしたい。
ちょっと待って!「r > g」の公式の収益率を表すrって、reternの頭文字であるr(アール)でなかったっけ?それがγ(ガンマ)となっているのはどういうこと?基本公式の内容については、まあ合っているのかな?とは思うのだが、『 21世紀の資本 』の核となる部分について読み方が誤っている時点にて本書を疑いたくなった!

また、本書には 21世紀の資本 』の引用が一切ない。ピケティ理論の核となる 21世紀の資本 』の引用がなくて、どのようにしてピケティ理論の概説を一冊の本として論旨を展開するのだろうか?そういう意味においても ピケティ入門 (『21世紀の資本』の読み方) 』というタイトルからは本質から外れているように思う。

では、本書が 21世紀の資本 』の概説を書いたピケティ理論の 入門書的な位置付けではないとしたら、本書の狙いはどこにあるのか?それは後半にある以下のようなアベノミクス批判であろう。


本書の論旨を捉えると、上記のようなピケティの理論と何ら関係のないところでアベノミクスの批判を繰り返している。論旨の核が安倍政権への批判であるのであるならばそれは構わないと思う。でも、そうであるならば、それにふさわしいタイトルをつけるべきであり、今話題となっているピケティの『21世紀の資本 』の入門書的な位置づけのタイトルで読者を釣るようなことはやめてほしい

21世紀の資本 』の翻訳者である山形浩生さんが、「あまりおすすめできない」と述べているように、ピケティ理論の入門書的 な位置づけで買おうとしている方にとっては気をつけてほしい本であるという意味で本書を紹介した。『 21世紀の資本 』の概要をまずは捉えたいと思う人にとっては、がっかりする内容の本であるからだ。  

では『21世紀の資本 』の概要を知りたいという人はどうすればよいのか?まだ未発売ではあるが、僕は、『 21世紀の資本 』の翻訳者である山形浩生さんが「やっと出た、『 21世紀の資本 のまともな解説本! 」と推薦している以下の本に期待をしたい。



関連書籍



目次

 はじめに
 第1章 『21世紀の資本』とは何か?
 第2章 ピケティの解決策
 第3章 ピケティと日本の格差
 第4章 ピケティから考えるアベノミクス
 第5章 私たちに何が必要か
 
【次回予告】 気になる方は登録を!→
follow us in feedly 
現在、『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』の書評を準備です。次回もお楽しみ!


ブログランキングに参加しております。よろしかったらクリックをお願いいたします。

人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ


ITが苦手な事業主やブログ運営者のためのメルマガ! 登録はこちらをクリック!