書評


石川和男さんの最新刊である『30代で人生を逆転させる残業0(ゼロ)の時間術 は、タイムスケジュールにそって「何をなすべきか」を明らかにしている本である。

「タイムスケジュールにそって」と書いたが、それは本書の各章が朝起きてから夜寝るまでの各タイムスケジュールごとに構成されており、そのタイムスケジュールを過ごすにあたって意識すべきことが書かれている。


僕はかなり共感しながら本書を読んだ。特に共感したのは以下の
部分だ。

・100冊読むよりも1つの行動。行動してはじめて役立つのがビジネス書
・記憶に頼らず記録する
・期限を決める(タイマー機能の利用)
・仕事を細分化する
・今日の振り返り
・机の上を片づけて帰る


その中でも「期限を決める」「仕事を細分化する」という点は、僕も仕事に取り組む上で大きな意識変化をもたらした事柄である。

かつて僕は時間に対する意識が希薄だった。「時間が有限であり、大切なものだ」という意識は多少はあったものの、どのように使われているかということについては無頓着だった。「この時間内で、こんなアウトプットを行おう」ということをあまり意識をせずに、ただ漠然と仕事をこなしていた。

当然、そんな集中力が欠けた状態では、仕事の精度は高くはないし、もちろん楽しくもない。その一方で、
空いた時間でスマホでTwitterやFacebookを眺めていながら、「忙しい、時間がない」と騒いでいた。(まあ、今でも「時間がない」と騒いではいるが......)


石川さんもかつてはかなり苦しい状況ではあったと思うが、時間の使い方を見直すことで徹底的な意識改革を行ったと推察される。それを思わせる文章を以下に記載したい。
 

私は、ビジネス書こそたくさん読んでいたものの、20代は怠惰な生活を続けていました。30代前半には、2年間無職で、妻の扶養に入っていました。借金や子供の出産一時金で食いつないだ時期もあります。
 そんな私でも、変わることができました。1日の時間の使い方を徹底的に見直し、発想を変え、ひたすら勉強をすることで、30代前半の無職生活から40代で5つの仕事へと、人生が逆転したのです。
 
(石川和男著『30代で人生を逆転させる残業0(ゼロ)の時間術』より P12  

先の文章で、石川さんは「1日の時間の使い方を徹底的に見直し、発想を変え、ひたすら勉強をすることで、30代前半の無職生活から40代で5つの仕事へと、人生が逆転したのです。」と述べているが、恐らく意識したことは「時間の使う目的と期限、そして、費やした時間で何を成果としてアウトプットするか?」ということではないかと思う。

「期限」と「目的」を明確に意識することで、ゴールまでの道筋が見えるようになり、集中力が生まれてくる
のだ。本書を読んでいく中で、石川さんが人生を逆転させたポイントはここにあると思っている。


笑いを狙ったギャグに包まれた文体で書かれているが、本書に書かれている内容はかなり実践的だ。おかげで、付箋をたくさん貼りつけることとなってしまった(笑)。

「100冊読むよりも1つの行動。行動してはじめて役立つのがビジネス書」と石川さんが述べているように、本書の内容を行動に結びつけることができたら、今後の人生において大きな成果が生まれるのではないか。

そんな思いを抱くほど充実した内容の本である。
 

※本書は著者の石川和男さんに献本いただきました。 

関連書籍





目次

 1[起床] すっきり目覚め、ポジティブに1日を始める方法
 2[通勤準備] たとえば50分の準備を20分に短縮する
 3[通勤中] その他大勢から抜け出すための出社の技術
 4[始業前] 無駄なく雑務を片づける助走タイム
 5[始業] 仕事は「完全見える化」でストレスフリーに
 6[午前中] 最も重要なガムシャラタイムの使い方
 7[ランチ] 自分の未来のための活動に使う(もしくは昼寝)
 8[午後] 前後半に分けて後半に2時間集中する
 9[帰宅] 明日に差をつける退社前の習慣
 10[就寝] 新しい朝を迎えるためにすべきたった1つのこと 

【次回予告】
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現在、(「書く、書く」と言いながら、ずっと書けないでいる)『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』の書評を準備です。次回もお楽しみ!


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