ITILってご存知だろうか?ITILは”Information Technology Infrastructure Library”の略で、「ITシステムを使ったサービスをビジネスの目的で達成するために、いかに適切なコストと労力で品質良く提供するかの事例を集めたITサービスの運用・管理のグッドプラクティス(好事例集)」である。


イギリスで生まれたITILは、世界中の企業や公共機関の現場で使われている、IT運用のデファクトスタンダード(世界標準)となっている。


ところで、「ITILとは、ITサービスの運用・管理のグッドプラクティス(好事例集)である」と述べたため、「ITの世界で使われているデファクトスタンダードなんて、情報システム部に所属していない自分たちの業務には関係ない!」と思うかもしれない



しかし、ITILは決してIT運用の分野だけに役立つものではない。ITILは4つのP(process:過程、people:人、products:成果物、 partners:協力会社) をバランスよく配置することが良いサービスを提供するためには必要なことと述べているが、その考え方は決してIT運用サービスの適用だけには留まらず、幅広い業務で適用できる考え方でもある。


本書『新人ガール ITIL使って業務プロセス改善します!』は、主人公である入社2年目の友原京子が購買部の業務プロセス改善リーダーに抜擢され、ITILを使いながら業務プロセスを進めていく物語となっているが、この物語を読んでも、ITに関連しない業務であってもITILの有用性を示した内容となっている。


では、ITILをマネジメントで使うメリットはどこにあるのだろうか?本書では、以下のように述べている。


 本書では、情報システム(IT)の運用現場において世界中で実績のあるマネジメント手法「ITIL」を使い、(IT部門はもちろんのこと)営業・購買・経理・人事など、どの会社にもあるオフィス業務の課題解決やプロセス改善を「もれなく」「無理なく」「効果的に」行う方法をお伝えします。

(中略)

あなたがITILを使うメリットは、次の3つです。

・ITの世界で実績のあるプロセスマネジメント手法であり、体系的で抜けやもれがない。【もれなく】

・すべてを適用する必要はなく、現場の実態にあわせた「いいとこどり」ができる。スピードのある改善ができる。【無理なく】

・ビジネスニーズを主軸とした考え方。経営者を顧客ととらえ、費用対効果など経営者に納得感をもって受け入れやすい。【効果的に】


 ここで書いてあるすべてを実践する必要はありませんし、ITILもそれを求めてはいません。ITILは世の中のいいやり方を集めた参考事例集に過ぎません。

 よって、ITILが提唱するやり方を100%導入しなければダメということはないのです(そもそも、この本を手にとる多くの皆さんがお勤めになる会社では、すでに何かしらのマネジメント手法が取り入れられていることでしょう)。

(沢渡あまね著『新人ガール ITIL使って業務プロセス改善します!
より P4~P5

また、ITILは5つの書籍で構成されているが、この5つの書籍はサービスのライフサイクルに着目した構成となっている。具体的には以下の本書の記述を見てもらいたい。
特に注目なのは「ビジネスの目標や要求を明確にして、それを達成するためのサービスの戦略立案・設計・運用・改善を行う」という部分だ。これは、「私たちの業務はそもそも何のためにあるのだろう?」という根本的な問いかけをITILは行っていることを意味している。

そして、「ITILというのは、ビジネスの目標の達成を意識した、ビジネス志向のマネジメントフレームワークである」ということを示している。


先に書いた5つのアプローチ(①サービスストラテジ、②サービスデザイン、③サービストラジション、④サービスオペレーション、⑤継続的サービス改善)の具体的な内容については本書に譲るとして、本書に書かれている内容を読むと、サービスを体系的に提供するにはどうすればよいのか?そのために行うべき必要なエッセンスが非常に分かりやすく書かれている。


「アウトソーシング(外部への業務委託)」「システムやITサービスへの代替」「脱属人化の促進」が進む中で、企業は「ヒト」「システム」「プロセス・ルール」をつなぐ役割を担う「ワルツの指揮者」となる人材を求めている。

本書は新人ガールが奮闘しながら「ワルツの指揮者」となりながら、購買部の業務プロセスを改善していく。物語を通じて、今後ますます必要とされる「ワルツの指揮者」になるためにはどんなことを考える必要があるのか?その助けとなる本である。
 
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目次

 プロローグ

 第1章 ITILって何だろう?

 第2章 組織の目標に合った業務内容になっているか?~サービスストラテジ~

 第3章 業務内容とレベルを定義しよう~サービスデザイン~

 第4章 日々の業務を安定して回すために~サービスオペレーション~

 第5章 業務の追加/変更をスムーズに~サービストランジション~

 第6章 改善は一日にしてならず~継続的サービス改善(CSI)~

 エピローグ
 

【次回予告】
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