「自分の知識や経験を生かすことが出来、やり甲斐を感じる!」
「年収1000万円を超えることが出来、収入面でも魅力がある!」
「サラリーマンに比べて時間の自由が利く!」
研修講師の魅力はこのような点にある。
そのため、「今までの経験を生かし、もう一花咲かせよう!」とシニア世代を中心に、多くの方が研修講師として活動をされている。
しかし、研修講師は人気の落差が激しい商売である。タレントのように活躍する講師がいる一方で、「何か仕事はありませんか?」とエージェントを何度も訪問して仕事を獲得する研修講師が多くいるという現実もある。
「両者の違いは何か?」そして、「選ばれる研修講師になるためには何が必要か?」
そんな視点で書かれた本が原佳弘さんの著書『研修・セミナー講師が企業・研修会社から「選ばれる力」
』である。
著書の原佳弘さんは企業と研修講師の間を取り持つ「エージェント」としてご活躍されている「セミナー・研修講師プロデューサー」である。
企業のニーズを把握しながら、ニーズを満たした研修を提供することを仕事としている。そのため、両者の視点を捉えながら、本書を執筆している。
ところで、研修講師というと、どんなイメージがあるだろうか?
一般的には「自分の専門分野の知識やノウハウを話し、受講者に教える仕事」のイメージがある。
しかし、著書はこの点を本書の冒頭で否定している。そして、本書の冒頭に書かれている以下の視点の有無こそ、人気講師とそうでない方の差を生み出しているように思う。
さて、みなさんは「講師」には、どういう役割や機能があると思いますか?
「人前で知識やスキルを教える役割」「人の気持ちや意識を変える役割」
「社内のリソースではできない、教育を代行する機能」
私は講師の役割・機能を次のように明確に定義しています。
それは「相手の問題を解決する役割・機能」です。
講演講師、セミナー講師、企業研修講師とステージによって、少しずつ役割機能は異なりますが、どのステージでも必要となる役割・機能は「問題解決」です。
つまり、問題解決することが重要であって、「何かを教えること」「意識を変えること」「代行すること」は、そのための一手段にすぎないのです。
一つ誤解を解いておきたいことは、講師は自分の話したいことを話す仕事ではない、という点です。相手ありきの仕事です。相手が、主婦でも学生でも、日々ビジネスの最前線にある企業人であっても、それは共通しています。自分の話したいことを話すというより、相手の問題解決をすることが講師には求められます。
ですから「話したいことがあれば講師になれる」という幻想が、一番、講師業にマイナスをもたらします。スピーチコンテストなら、話したいことを十分に話すべきだと思います。しかし研修講師は、それとは役割が違うのです。
(原佳弘著『 研修・セミナー講師が企業・研修会社から「選ばれる力」 』 より P14~P15)
また、著者は1章でエージェントの立場から「選ばれる研修講師になるための課題」を述べているが、「講師という職業に抱く幻想に対する危機感なるもの」を感じ取ることができる。
そして、その意識が講師の成長を妨げる要因となっているのではないかと考えているように思われる。
そのため、まずは「選ばれる講師になるための心構え」を第1章で述べている。
第2章以降は講師に必要な営業スキルやマーケティングについて述べているが、それを生かすも殺すも、著者が第1章に述べていることをどのように捉えるかによって変わってくる。
その意味でも、僕は本書の要諦は第1章にあるように思う。
研修講師に関する本はたくさんあるが、その多くは"話す""伝える"といった「講師の技術向上」に関する本がほとんどだ。しかし、研修講師に特化した営業戦略やマーケティングに関する本はそうそうない。
そういう意味においても研修講師として成功を志している方にとっては、捉えるべき視点が満載である。
本書のポイント
講師業は「選ばれて行う仕事」である。「問題解決」の視点から、そして「研修を求める企業の立場」から考えることが必要である!
関連書籍
目次
1章 クライアントに選ばれる、稼げる研修講師になろう!
3章 エージェントを知ることの重要性
4章 企業が求める講師・コンサルタントとは
5章 「またお願いしたい」と言われる講師になるために
6章 選ばれる講師になるためのマーケティング戦略
7章 将来も選ばれて稼げる講師であり続けるために
【次回予告】 気になる方は登録を!→
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