400円のマグカップで4000万円のモノを売る方法 』(髙井洋子著)は、儲ける仕組みをつくるポイント」を、ストーリー仕立てで書かれた内容の本である。

本書のストーリーには以下の5人の人物が登場する。



登場人物

・前芝洋介(まえしばようすけ)(31)

港区芝にある「カフェ・ボトム」のオーナー。北海道から上京し、東京タワーが見える場所に憧れて念願のカフェをオープンしたが、2年を過ぎても赤字に苦しんでいる。朝早くから深夜まで店を開けている。名物のスープカレーの研究に余念がない。


・遠山桜子(とおやまさくらこ)(45)

「ボトム」近くのタワーマンション最上階に住んでいる。経営コンサルティング会社を経営し、自身も敏腕コンサルタントとして活躍している。出張帰りや、深夜の仕事帰りに寄ることが多く、洋介とよく話すようになる。口癖は「儲けるなんて、簡単よ」


・河田勇人(かわたゆうと)(32)

桜子の部下。


・前芝亜弓(まえしばあゆみ)(29)

洋介の妻。洋介に愛想をつかして出て行ったきり。


・前芝果菜(まえしばかな)(7)

洋介の娘。
 
髙井洋子著400円のマグカップで4000万円のモノを売る方法
より P2)


この中でも中心となる人物が、「カフェ・ボトムのオーナー 前芝洋介」と「敏腕コンサルタント 遠山桜子」だ。この2人のやりとりを通じて、「儲ける仕組み」が解説されていく。

さて、本書のエッセンスはどんなものか?以下に紹介していきたい!
 



カフェ・ボトムを襲う三重苦


本書は主人公である前芝洋介が経営する東京芝にあるカフェ ・ボトムを舞台に展開される。

東京タワーが見える一等地にある古びたカフェ。朝早くから深夜まで一生懸命に働いているが、儲かる気配は一向にない......妻の亜弓は7歳の娘の果菜を連れて出て行ってしまった......

深夜遅く、一人残った男性客が帰ったらもう店じまいしようかと考えていたころに登場したのが、もう一人の主人公である敏腕コンサルタントの遠山桜子である。

桜子はカフェ・ボトムの名物であるスープカレーを注文するやいなや、カフェ・ボトムの三重苦を以下のように言ってのけた。


「常連さんってコーヒー一杯で長居するのよねえ。席をなかなかどいてくれないから、お客さんが入らなくて回転率が下がる。ランチ時はせめて2回転させたいけど、食後のコーヒーで1時間居座られたら、満席になっても1回転が限度よね。

 夜だって、たった一人の客のために午前2時まで店を開けてたら、それだけで光熱費だって馬鹿にならない。常連っていっても、今のお店にとってはあまり良いお客とはいえないわね」

(中略)

「それをカバーしようとして、朝早くから深夜までがんばって営業してるんでしょうけど......。このままじゃ、高家賃、高原価率、低回転率、の『三重苦』ね

髙井洋子著400円のマグカップで4000万円のモノを売る方法
より P28~P29)



儲かる会社には「儲けるための仕組み」がある 


企業の利益構造は以下のようになっている。

(売上-原価)-経費=利益(儲け)

このため、「売上を高める」か「原価や経費を削るか」が大事であると一般的に言われている。

また、カフェ・ボトムのような飲食店では、原価率30パーセント前後が一般的である(ちなみに、カフェ・ボトムの原価率は51.1パーセント!そこから経費を引いたら、いくら売上をあげても儲からない状況となってしまう......)


ところが、その常識を打ち破る飲食店が現れた。「俺のフレンチ」である。

「俺のフレンチ」は、一流のシェフを雇い、都心の一等地に出店している急成長のフレンチレストランだ。しかも、原価率は60~80パーセントと、カフェ・ボトムの原価率よりも高い。しかし、それでも儲けを出している。

「俺のフレンチ」が儲けを出せるのは、「回転率を高めて薄利多売で勝負できる」ための「儲けを出すための仕組み」があるからだ。


「儲ける仕組み」の6つの解説 


このように、本書に登場している会社には、それぞれ「儲けるための仕組み」を持っている。

そして、以下の6つのポイントと仕組みをストーリーとともに桜子が解説している。


1.小箱・行列・時間制限で回転率を高め、利益を出す

2.継続の仕組みをつくる

3.顧客との関係をつくる「きっかけ」の商品を販売する

4.本命商品への導線をつくる

5.お客様を「ファン」にする仕組みをつくる

6.なんでもいいので「ナンバーワン」を取る


桜子が本書の中で解説している、この「儲けるための仕組み」がそれぞれ興味深く、またストーリーと相まって非常に面白い!


400円のマグカップから4000万円の家を売る!


本書で解説しているビジネスモデルの中でも「凄い!」と思ったのが、本書のタイトルとなっている「400円のマグカップで4000万円のモノを売る方法」だ。

これは、愛知県の住宅会社のビジネスモデルであるが、そのプロセスが気が遠くなるほど長いのだ。

詳しい内容は本書をご覧になっていただきたいが、このビジネスモデルの特徴は「マグカップをきっかけに、お客様の親を含めて長い年月をかけて信頼関係を築いている」という点だ。


マグカップ1個でお客様とのキッカケをつくり、雑貨を通じてコミュニケーションを図り、お金のセミナーを通じて資金準備の教育を行い、そして来るべきタイミングでマイホームの購入…想像しただけでも「相当長い年月をかけてやっているんだろうなあ…」と思ってしまう。

このビジネスモデルを打ち出した住宅販売会社は地元の愛知県では知られているものの、大手住宅メーカーのように住宅展示場で住宅を販売できる訳ではない。このため、「大手メーカーが集う住宅展示場に頼らない独自のビジネスモデル」を構築する必要があった。


その意味において、ビジネスモデルの凄さは、「大手をはじめ、他社が簡単に真似が出来ず、独自のマーケットを作りあげている」という点だ!この例を見ると、「しっかりとした戦略面があれば、小さな会社でも大手に対抗できる」ということが良く分かる。


問われるのは「ゆずれない想い」と「武器」! 


では、「儲ける仕組みを同じように展開すれば儲けることができるのか?」というと、それは必ずしもYESとは言えない。

やはり、「譲れない想い」と「一点突破出来る武器」があるからこそ、これらを活かすビジネスモデルが生きるのだ。


そのため、桜子は最後に洋介に以下のように問いかけている。



「••••••ちがうわ!仕組みだけで簡単信者なんてつくれるわけない」


急に言葉をさえぎられて、洋介は驚いた。
桜子さん••••••?


「結局はね、『想い』なのよ」

桜子が急に思ってもみない言葉を使った。


「想い?」

「そう。想い。

どんなに外側の仕組みをつくったって、常連さんをそこまで動かすものは何?

やはりどういう想いで、どんな志で、その店をやっているのか、社長の口から聞けるから、その想いが伝わるから、よしそれは協力してやろうって思ってくれるのよ。

『顧客と企業の共同の価値観』とも言い換えられるわ。その価値観に共感するから、応援しよう、お客さんを紹介しよう、となるものじゃない?」

想い、か・・・・・・。洋介の心にその一言がずしりと響く。

髙井洋子著400円のマグカップで4000万円のモノを売る方法
より P178~P179)


そして、勝つためにはやはり武器が必要である。

本書で言っている武器とは、「ナンバーワンになれるもの」である。価格決定権、影響力など、一番になることによるメリットは大きい。小さな会社が勝つためには、やはり、なんでもいいからナンバーワンになるということが必要だ。



「このバリオ開発の話しで言えることはね、小さい会社には、小さい会社の勝ち方があるということなのよ。

ヒントとしては『何かで一番になる』というのが重要ね。そんな大げさなことではなくても、何でもいいのよ、たとえば、地域とか、人気のメニューとか。千葉県の中で一番女性が多いトラック運送会社、地域で一番給料が高い学習塾、地域で一番トイレの数が多いお店・・・・・・なんでもいいから何かナンバーワンになる

「ナンバーワンか・・・・・・」


「そう、それができたら、どんなに小さくても勝つことができる。徹底して実践するのよ。そして、ナンバーワンをつくり続けることね。いっぱい増やすの、ナンバーワンを。そしたら必ず成果は出るわ」


髙井洋子著400円のマグカップで4000万円のモノを売る方法
より P216~P217)



最後に 


本書の帯で書かれている通り、最後に前芝洋介は遠山桜子の教えを実践し、年商10億の会社に成長させる。それをどのように生かし、会社を成長させるのか?そして、別居している家族とどのようにしてよりを戻し、一緒にやっていくのか?ここにも本書の見どころがある。これについては本書を実際に読んで確認してもらいたいと思う。

本書で書かれているビジネスモデルは非常に分かりやすく、しかも、ストーリーと相まって書かれているのでポイントが把握しやすい。

洋介のように「本書で書かれたビジネスモデルが、読者の会社で実際に生かされること」、それが本書を書いた著者の願いである!


本書のポイント 


企業が存在し続け、社会で役割を果たし続けるためにも、「儲かる仕組み」をつくることが重要である。





関連書籍





目次


 登場人物

 はじめに

 第1章 三重苦のカフェ

 第2章 はちみつと宝石。儲かるのはどっち?

 第3章 知らず知らずのうちに

 第4章 400円のマグカップで

 第5章 お客さんをとことん活用する戦略

 第6章 小さな会社が勝つ方法

 最終章 「儲けるなんて、簡単よ」

 おわりに


【次回予告】
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次回もお楽しみ!


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