2015年もあとわずか!
2015年最後の書評は『数字のプロ・公認会計士がやっている 一生使えるエクセル仕事術』(望月実/花房幸範著)です。
本書は、以前、『【気になる本】ビジネスから実用書まで!年末年始に読みたいビジネス書5冊!』でも紹介した注目の本!この年末年始の休暇中に読みました。
目次
- ミスを少なく仕事を終わらせるExcelの技術
- センスを感じさせる資料作成の技術
- わかりやすく伝える説明の技術
- 最後に
ミスを少なく仕事を終わらせるExcelの技術
ショートカットキーを使えば仕事が早くなる!
コピー&ペーストなど、セルの右クリックメニューやツールバーから選択しながらExcelを操作すると思いのほか作業時間がかかったということはありませんか?
こんなとき、ショートカットキーを覚えると、作業時間を短縮させることができます。
本書に書いているショートカットキーの使い方のうち、使用頻度の高いものを覚えるだけでも作業効率が確実にアップします。
僕の知らないショートカットキーの使い方もあり、これは非常に参考になりました。
以下に「使用頻度の高いショートカットキー」を記載いたします。
・Ctrl + C ・・・・・・コピーする
・Ctrl + V ・・・・・・貼り付ける
・Ctrl + A ・・・・・・全範囲を選択(場合によっては"A"を2回)
・Ctrl + スペース ・・・・・・列全体を選択
・Shift + スペース・・・・・・行全体を選択
・Ctrl + Z ・・・・・・元に戻す
・Ctrl + Y ・・・・・・直前の操作の繰り返し
・Ctrl + S ・・・・・・上書き保存
・Ctrl + Shift + +・・・・・・セル、行、列の挿入
・Ctrl + - ・・・・・・ セル、行、列の削除
・Ctrl + X ・・・・・・セルの切り取り
・Shift + F11 ・・・・・・シートの挿入
・Ctrl + P ・・・・・・印刷ダイアログボックスの表示
・Shift + →↓ ・・・・・選択中のセルを起点に範囲を選択する
・Ctrl + →↓ ・・・・・選択中のセルから次のセルの手前のセルに飛ぶ
・Ctrl + Shift + →↓ ・・・・・選択中のセルを起点に入力済セルを飛び越して次の未入力セルの手前までの範囲を選択する
・F2 ・・・・・・・・・・・・・選択中のセルを入力可能な状態にする
・Ctrl + F ・・・・・・検索
・Ctrl + H ・・・・・・置換
(望月実/花房幸範著『数字のプロ・公認会計士がやっている 一生使えるエクセル仕事術
』 より P21)
関数を使えば仕事が早くなる!
Excelで仕事を効率的に進めるためのポイントは「関数を使う」ことです。
特に、SUMIF、SUMIFS、VLOOKUP、HLOOKUP、COUNTIF、OFFSETなどの関数を使うことにより、作業が効率アップします。
本書ではSUMIFやSUMIFSの関数の紹介が行われております。
関数とはエクセルで様々な計算をするためにあらかじめ定義された数式のことで、図1のような構造となります。「=」の後に関数名を入力し、「( )」の中に計算を行うために必要な情報を入れていきます。
情報は左から順番に第1引数(ひきすう)、第2引数、第3引数とよばれ、引数の数は関数の種類や計算内容によって異なります。
SUMIF関数であれば、第1引数が「検索の範囲」、第2引数が「検索条件」、第3引数が「合計金額を集計する範囲」となります。
(中略)
■図1 関数の構造
=関数名(第1引数,第2引数,第3引数・・・・・・)
=SUMIF(範囲,検索条件,合計範囲)
(望月実/花房幸範著『 数字のプロ・公認会計士がやっている 一生使えるエクセル仕事術』 より P93)
センスを感じさせる資料作成の技術
見やすく使いやすい資料の作り方
見やすい資料をつくるためには、「数字の意味を把握しやすい構造にする」など、考慮すべきポイントがいくつかあります。
本書では、「見やすく使いやすい資料を作る」ためのポイントとして、以下の6点をあげております。
①データの流れが分かりやすいファイルを作成する
②シート構造図を入れてデータのつながりを明確にする
③書式はなるべくシンプルに
④データの出所を記入する
⑤フッターにファイル名、シート名を入れる
⑥検索しやすいファイル名をつける
⑦不要なシートを削除する
(望月実/花房幸範著『数字のプロ・公認会計士がやっている 一生使えるエクセル仕事術
』 より P119)
"シンプルで見やすい資料をつくる"というのはもちろんですが、「ファイル名に日付を入れる」など、"検索しやすい"ということを意識することで、ファイル検索機能で見つけやすくなります。
「あれ?あのファイル、どこにあったっけ?」とファイルを探す時間を、実際に作業する時間に充てたいですよね?
分かりやすく伝える説明の技術
分かりやすく伝えるための3つのポイント
グローバル化、さまざまな職種がプロジェクトに参画するなど、ビジネスパーソンを取り巻く環境は複雑になっております。
その中でビジネスのコミュニケーションを取るのがますます難しくなっております。
本書では、プレゼンテーションの場などで伝えるために必要な技術を第3部で伝えております。
その中でもポイントとなる事項を、以下の3つをあげております。
ビジネスの現場で話される内容が複雑になり、業務の多様化、グローバル化を通じてバックグラウンドや価値観の異なる人と仕事をする機会が増えたことによって、ビジネスでのコミュニケーションは難しくなってきました。
(望月実/花房幸範著『数字のプロ・公認会計士がやっている 一生使えるエクセル仕事術
そのような状況の中で自分の考えを分かりやすく伝えるためには、「情報をシンプルに」「構造をロジカルに」「表現をイメージしやすく」という3つのポイントに気をつけることが大切です。
』 より P164)
最後に
各種管理資料作成など、Excelはビジネスパーソンにとっては仕事をする上で必須のツールと言えます。
感覚的ではありますが、その必要度は年々増しているように思えます。
また、Excelの本も数多く出版されておりますが、その内容も変わってまいりました。以前は、Excelの機能の解説が主な内容だったのが、近年は「Excelを活用しながら仕事の効率化を図る」といった"仕事術"に重きを置いた本が多くなりました。
本書も「タイトルにExcelとは入っているが、その内容はあくまで"仕事術"の本」です。
本書はタイトルにある通り、"仕事術"の本です。
とはいえ、本書はExcelの機能のみならず、以下のポイントに重きを置いた本です。
・センスを感じる資料の作り方
・分かりやすく伝えるための説明の技術
「資料作成から伝えるまで」が本書でわかります。
Excelのスキルアップを図りたい方はもちろん、Excelを使って効率的に仕事を行いたいと思う方にとっては必須の本です。
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